1)石器の高精度かつ効率的な三次元計測手法の確立と洗練化
レーザースキャナおよびSfM/ MVSによる三次元計測手法はすでに確立され運用されている。本研究では精度検証と効率化を進め、より洗練された手法を完成させる。
2)考古学資料・対照群としての実験資料の計測、データの集積
既報告資料について所蔵管理する調査機関・博物館等の協力を得て体系的に計測を実施し、定量的な検討を保証するデータを集積する。同時に、発掘資料の不足を補いデータ解析の対照群を確立するために実験製作研究者の協力を得て復元製作された資料の計測、データの集積を進める。
3)考古学的研究に資する示標の探索、分析手法の確立
三次元データ上で計測・解析される数値的属性のうち研究上有効な示標とその分析手法を、実際の分析と結果の検証のフィードバック・ループを通じて探索する。とくに示標として選択される属性について、計測・解析の基準設定、客観性と再現可能性が担保され、かつ直観的に計測・取得が容易であり、かつ第三者も利用可能なオープンソースにもとづく分析手法の確立に努める。
4)三次元データの解析と考古学的議論
確立された示標・分析手法にもとづき、複数の考古学的テーマに沿った分析・研究を実施し、その有効性を考古学的に議論する。成果の学会発表、論文投稿だけでなく、ワークショップ、研究会を開催して幅広いフィードバックを得て研究全体の洗練化を図り、周知・共有化を進める。